中学受験の算数で「場合の数」を苦手にしているお子さんは少なくありません。基本的な並べ方や組み合わせはできても、条件が少し変わると何をすればよいかわからなくなってしまうことがあります。
場合の数で大切なのは、計算方法を覚えることよりも、条件に合う場合を「もれなく、重なりなく」整理して考えることです。最初から計算だけで解こうとせず、まずは樹形図や表、書き出しを使って考えることから始めましょう。その仕組みが理解できてから、計算で効率よく求める方法を身につけていくようにしてください。
最初は樹形図や書き出しで考える
場合の数は、最初のうちは図や表を書きながら考えるのがおすすめです。数字の並べ方を考える問題では樹形図を使い、いくつかのものから選ぶ問題では、条件に合う組み合わせを順番に整理していきます。
このとき、思いついたものをバラバラに書いていくのではなく、順番を決めて整理して書くようにします。樹形図なら最初の1つを固定し、そこから次の場合を順番に枝分かれさせていくと、数え忘れや重複が少なくなります。
慣れないうちは少し面倒に感じるかもしれませんが、この「全部の場合を整理して見る」という練習が、あとで計算を使って解くときにも役立ちます。
「並べる」のか「選ぶ」のかを考える
場合の数では、問題文を注意して読むことがとても大切です。たとえば、AさんとBさんを1番・2番の順に並べる場合、「A・B」と「B・A」は別の並べ方になります。しかし、AさんとBさんを2人の委員として選ぶだけなら、順番が逆になっても同じ組み合わせです。
問題を見てすぐに計算を始めるのではなく、「これは並べ方なのか、それとも選び方なのか」「順番が変わったら別の場合になるのか」を確認するようにしてください。場合の数では、計算そのものよりも、問題文の条件を正しく読み取ることが大切です。条件を読み違えると、考え方が合っていても正しい答えにたどり着けないことがあります。
図で理解してから計算でも求められるようにする
基本的な場合の数では、樹形図や書き出しを使わなくても、かけ算などを使って短時間で答えを求められる問題があります。ただし、計算方法だけを覚えてしまうと、少し条件が変わったときに対応できなくなります。
最初のうちは、樹形図や書き出しで答えを確認したあとに、「この部分は同じ数だけあるから、かけ算で求められる」と考えてみるとよいでしょう。図で考えた内容と計算を結びつけていくことで、なぜその式になるのかが理解できるようになります。
場合の数では、図で考える方法と計算で求める方法のどちらか一方だけを使うのではなく、両方を使えるようにしておくことが大切です。
計算だけで解こうとしない
場合の数に慣れてくると、何でも計算だけで解こうとすることがあります。基本的な問題ならそれでも解けますが、中学入試では「ある人は必ず選ぶ」「同じ数字を何度も使えない」「特定の条件に当てはまるものだけを数える」など、さまざまな条件が加わります。
このような問題で、覚えた計算方法をそのまま使おうとすると、必要な場合を数え忘れたり、同じものを二重に数えたりすることがあります。少し複雑だと思ったら、一度図や表に戻ってください。図を書くことは基本問題だけで使う方法ではなく、条件が複雑になったときに何を数えればよいかを整理するためにも役立ちます。
問題文を注意深く読む
場合の数では、「すべて使う」のか「いくつかを選ぶ」のか、「同じものを何回使ってよい」のかなど、ちょっとした条件の違いで答えが変わります。「少なくとも」「ちょうど」「必ず」などの言葉が入っている場合も注意が必要です。
数字だけを見てすぐに式を作るのではなく、何を並べるのか、何を選ぶのか、どんな条件がついているのかを確認してから考え始めましょう。文章が長い問題では、条件に線を引いたり、余白に短くメモしたりするだけでも考えやすくなります。場合の数では、問題を正確に読むことも解き方の一部です。
複雑な問題ほど図を書いて考える
入試問題になると、単純な並べ方や組み合わせだけではなく、いくつかの条件が重なった問題が増えてきます。このような問題を頭の中だけで処理しようとすると、途中で何を数えていたのかわからなくなりがちです。
まず「どんな場合に分けられるか」「最初に何を決めると整理しやすいか」を考え、必要なら樹形図や表を書きます。全部を書き出す必要はありません。途中まで書いて規則が見えてきたら、残りを計算で求めてもかまいません。
大切なのは、「図を書く問題」「計算する問題」と最初から分けてしまうことではなく、その問題に合った方法を選べるようになることです。
間違えたときは数え方を確認する
場合の数の問題で答えが合わなかったときは、正しい式だけを見て終わらせないようにしましょう。樹形図や書き出したものを見直すと、どこかの組み合わせを数え忘れていたり、同じものを2回数えていたりすることがあります。また、そもそも並べ方と組み合わせを取り違えていることもあります。
どこで数え方がずれたのかを確認することで、同じ間違いを繰り返しにくくなります。「計算ミスだった」で終わらせず、問題の読み取り、場合分け、書き出し方まで戻って確認してみてください。
基本問題から少しずつ慣れていく
場合の数が苦手なお子さんは、いきなり複雑な入試問題をたくさん解く必要はありません。まずは樹形図や書き出しで確実に数えられるようにし、並べ方と組み合わせの違いを理解します。そのあと、同じ内容を計算でも求められるようにしていきましょう。
さらに条件のある問題に進み、場合分けや図と計算の使い分けを練習していくと、少しずつ複雑な問題にも対応できるようになります。
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まとめ
場合の数では、最初から計算方法だけを覚えようとしないことが大切です。まずは樹形図や表、書き出しを使って、どのような場合があるのかを自分で確かめます。そこで仕組みが理解できたら、計算で効率よく求められる部分は計算を使うようにします。
そして条件が複雑になったら、もう一度図や表に戻って整理するようにしてください。問題を注意深く読み、図で考える方法と計算する方法を使い分けられるようにしていくことが、場合の数を得意にするためのポイントです。
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