中学受験の算数では、多くの塾で小5の後半に比を学習し、そのあと速さと比、図形と比のように、比を使ってほかの単元の問題を解く学習へ進みます。比の単元のテストではよくできていたのに、速さや図形と組み合わさったとたんに解けなくなり、成績が下がってしまうお子さんは少なくありません。また、小6になって過去問に取り組むと、比を使えば短い式で解ける問題が多いことに気づきます。この記事では、中学受験の算数で比を使う問題につまずく理由と、家庭での勉強の進め方を紹介します。
中学受験の算数では比を「道具」として使う
小学校の算数では、比は一つの単元として学習します。比を簡単にする、比の値を求めるといった問題が中心で、ほかの単元とつなげて使う場面はあまりありません。
一方、中学受験の算数では、比は割合や速さ、図形などの問題を解くための道具として使います。たとえば、速さの問題で道のりが同じときは、速さの比と時間の比が逆になることを使えば、時間を求める式を短くできます。図形の問題でも、高さが同じ三角形の面積の比は底辺の比になることを使えば、面積を一つずつ求めなくても答えにたどり着けます。入試問題では、問題文に「比」という言葉が出てこなくても、比を使うと解きやすくなる問題が数多く出題されます。
比を使う問題でつまずく理由
比を使う問題でつまずくお子さんの多くは、比の計算ができないわけではありません。問題を読んで、どこで比を使えばよいのかに気づけないのです。そのため、比を使えば数行で終わる問題を、時間をかけて別の方法で解こうとして、途中で行き詰まってしまいます。
また、比の単元で学ぶ連比や逆比のまとめ方があいまいなまま、速さと比や図形と比に進んでいることもよくあります。塾の授業はどんどん先へ進むので、比の基本があいまいなままだと、そのあとの単元でも同じところでつまずき続けることになります。
まずは比の計算と丸数字の使い方を確実にする
比を使う問題に取り組む前に、比の計算を確実にできるようにしておきましょう。中学受験では、小数や分数の比を簡単にする計算や、比例式、数量を比で分ける文章題がよく出題されます。また、A:BとB:Cから3つの量の比をまとめる連比は、比を使う問題の多くで必要になります。
あわせて身につけておきたいのが、量を①や②のような丸数字で表す考え方です。「兄と弟の所持金の比が5:3」なら、兄を⑤、弟を③と置き、⑤と③の差が②にあたる、というように考えます。塾の解説でもこの書き方がよく使われるので、家庭で解き直すときも丸数字を使って式を書く習慣をつけておくと、解説が読みやすくなります。
小数や分数の比を簡単にする計算、比例式、数量を比で分ける文章題は、次のプリントで練習できます。3つの量の比をまとめる連比は、別のプリントで練習しておきましょう。
速さ・割合・図形の問題では「何が同じか」を探す
比を使う問題では、問題を読んだら最初に「何が同じか」を探す習慣をつけましょう。速さの問題で道のりが同じなら、速さの比と時間の比は逆になります。時間が同じなら、速さの比と道のりの比は等しくなります。割合の問題では、「AはBの60%」という関係を「A:B=3:5」のように比に直すと、丸数字で考えられるようになります。図形の問題では、高さが同じ三角形を見つけると、面積の比を底辺の比で考えられます。
家庭で問題を解き直すときは、お子さんに「この問題では何が同じで、何と何の比を使ったか」を説明してもらうとよいでしょう。答えが合っていても、説明できない場合は、たまたま解けただけかもしれません。説明できるようになると、初めて見る問題でも、比を使う場面に気づけるようになります。
速さの問題で比を使う練習は、次のプリントでできます。道のりが同じときに時間の比が速さの比の逆になる問題も、基本から練習できます。
塾のテストで間違えた問題は、比の基本まで戻って解き直す
塾の週テストや確認テストで、比を使う問題を間違えたときは、解説を読んで終わりにせず、どこでつまずいたのかを確かめましょう。何が同じかに気づけなかったのか、逆比や連比のまとめ方を間違えたのかによって、戻るべき場所が変わります。基本の問題で考え方を確かめてから、間違えた問題をもう一度解き直すと、同じ種類の問題で迷わなくなります。
逆比が分かっていなかった場合は、逆比のプリントで考え方を確かめてから解き直しましょう。比の文章題や連比、逆比、縮尺など、比の問題をひと通り確かめたいときは、まとめのプリントを使ってください。小6の秋以降、過去問で比を使う問題を落としたときの総復習にも使えます。
プリントで基本を確かめたあと、家庭でさらに比の問題を練習したい場合は、比に絞った問題集を1冊用意しておくと便利です。『中学受験算数「比と割合」表で解く練習問題120』は、比と割合の問題を、表を使って整理しながら解く練習ができる問題集です。線分図だけでは数量の関係を整理しにくいお子さんにとって、別の考え方を身につけるきっかけにもなります。
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まとめ
中学受験の算数では、比は一つの単元で終わるものではなく、速さや割合、図形の問題を解くための道具として使います。まずは比の計算と連比、丸数字で量を表す考え方を確実にし、問題を読んだら「何が同じか」を探して、比を使う場面を見つける練習をくり返しましょう。塾のテストや過去問で間違えた問題は、比の基本まで戻って解き直すことで、比を使う問題でも落ち着いて解けるようになります。

