2025年現在も大都市圏では中学受験熱は高く、毎年多くの小学生が私立・公立中高一貫校の受験に挑戦しています。教育改革や新学習指導要領の導入などで教育環境は変化し続けていますが、公立校への不安から中学受験を検討する家庭は依然として多いようです。
公立vs私立の単純な比較は危険
以前塾講師として多くの中高生を見てきた経験から言えるのは、「公立がダメだから私立がベスト」という単純な図式は成り立たないということ。確かに公立学校では基礎学力の低下が懸念される面もありますが、一方で私立中高一貫校にも課題はあります。
私立中高一貫校では授業進度の速さについていけず、モチベーションを失ってしまう生徒も少なくありません。また、付属大学の推薦枠に届かず苦労したり、目標を見失って進路に悩んだりするケースも見受けられます。
学校選びは「公立か私立か」ではなく、「お子さんに合う学校はどこか」という視点で考えることが重要です。合格だけを目標にすると、入学後のミスマッチに悩むことになりかねません。
中学受験を検討する前のチェックポイント
1. お子さんの準備状況を見極める
中学受験勉強は小学生にとって大きな負担です。本人の意志なく塾に通わせても、ストレスが溜まり成績が思うように伸びないことも。
受験には通常の学校の勉強以外にも多くの学習が必要で、塾では宿題やテストが頻繁にあります。これらについてお子さんとしっかり話し合い、「自分から頑張りたい」という意志があるかどうかを確認してください。
受験勉強に取り組める準備が整う時期は個人差が大きいもの。無理に低学年から始める必要はなく、基礎学力がしっかりしていれば高学年からでも十分合格の可能性はあります。お子さんの意欲と成長に合わせて検討することが大切です。
2. 経済的負担への準備
中学受験には相当な費用がかかります。私立中学入学後の学費はもちろん、受験準備期間の塾費用、教材費、模試代なども無視できません。
特に夏期講習などの長期休暇中の講習会費用は高額になりがち。さらに模擬試験や公開テスト、補習用の個別指導なども加わると、家計への負担は予想以上に大きくなります。
また金銭面だけでなく、塾の送迎、保護者面談、学校説明会への参加など、親の時間的負担も考慮すべきポイントです。仕事との両立を含め、家族でしっかり話し合いましょう。
大学入学までの長期的な資金計画と、受験期の家族のサポート体制を事前に検討することが重要です。
3. 志望校のイメージが明確か
「周りが受験するから」という理由だけで漠然と準備を始めると、お子さんのモチベーション維持が難しくなります。最終的に「入れる学校ならどこでも」という消極的な選択になりがちです。
受験準備の前に、どのような学校に入れたいのかを具体的に考えましょう。学校の特色、カリキュラム、校風、通学時間など、多角的に情報収集することをお勧めします。公立校との違いや、中高一貫教育のメリット・デメリットもよく調べてください。
インターネットでの情報収集に加え、可能なら学校説明会や文化祭などに足を運び、実際の雰囲気を感じることも大切です。お子さんが「この学校に入りたい」と思える目標校があれば、モチベーション維持にもつながります。
学校選びに役立つサイト
保護者や生徒が重視するポイントから学校を検索できる便利なサイトです。
4. 家族の意志統一
夫婦間や親子間で受験に対する考えが異なると、準備がスムーズに進みません。「パパは受験に賛成だけど、ママは反対」といった状況では、お子さんも混乱します。
受験を決める前に、家族全員で中学受験について話し合い、方向性を一致させておくことが大切です。特にお子さん自身の意思を尊重し、家族全体で支える体制づくりが重要です。
まとめ
中学受験は単なる入試対策ではなく、お子さんの将来の教育環境を選ぶ重要な決断です。周囲の流れに安易に乗るのではなく、お子さんの特性や家庭の状況をしっかり考慮した上で判断しましょう。
お子さんが「受験したい」という意欲を持ち、家族が一丸となってサポートできる環境が整っていれば、挑戦する価値は十分にあります。
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